【銀行とのつき合い方】法人口座を開設することが難しくなってきている!?

近年、法人口座の開設が以前よりも難しくなってきたと言われています。特に新規設立の企業では、口座開設の審査が厳しくなり、手続きの時間も増えています。では、なぜ今、法人口座の開設が難しくなっているのでしょうか?今回はその背景と、口座開設をスムーズに進めるためのポイントを解説します。

1.なぜ法人口座の開設が難しくなっているのか?


(1)マネーロンダリング対策の強化
反社会的勢力などがマネーロンダリング(資金洗浄)で銀行口座を不正に利用する事案が多数発生しました。このため、銀行はこれらを防ぐため、法人口座の開設について審査を厳格化しています。これにより、新規設立の企業だけでなく、既存の中小企業に対しても、より厳密なチェックが行われるようになっています。

(2)振り込め詐欺や不正取引の防止
また振り込め詐欺や不正取引に法人口座が利用されることも多くなりました。これもまた、銀行は慎重な対応を取らざるを得ず、口座開設の審査が厳格化されています。

2.銀行が重視するポイント


法人口座の開設をスムーズに進めるためには、銀行がどのような点を重視しているかを理解することが重要です。銀行は、法人口座を開設する企業の信頼性や健全性を重視します。ついては、以下の点に注意しましょう。

(1)企業実態を明確にすること
まず、事業実態を明らかにする必要があります。例えば、オフィスを実際に構え、会社案内や取引先などを説明できる書類を用意しておきましょう。
一方、バーチャルオフィスや私書箱のみの住所では開設は難しくなるでしょう。また、銀行は企業実態を確認するため、担当者を派遣します。これに応えられるようにしておく必要もあります。

(2)本人確認と提出書類の充実
銀行が最も重視するのは本人確認です。これは、口座開設が反社会的勢力や犯罪に利用されないようにするための対策です。
代表者の身分証明書はもちろん、定款、登記簿謄本、法人印鑑証明書などの基本的な書類はすべて揃えておく必要があります。また、事業内容や取引先情報、財務状況を説明できる書類も提出すると良いでしょう。

3.法人口座開設をスムーズに進めるためのポイント


では、実際に法人口座を開設するために、どのような準備をしておくべきでしょうか?
以下のポイントに気をつければ、口座開設のハードルを下げることができます。

(1)しっかりとした事業計画書の用意
事業の内容や将来の展望を説明できる事業計画書は、銀行にとって重要な資料です。
特に新規設立企業の場合、将来の成長性や収益性が不明なことが多いため、明確なビジョンを提示できると信用度が増します。

(2)銀行担当者との信頼関係を築く
銀行との信頼関係は、口座開設だけでなく、今後の取引にも大きく影響します。
事前に銀行の担当者と面談し、自社の状況や計画を丁寧に説明することも大切です。
信頼関係を築くことで、口座開設がスムーズに進むだけでなく、将来的な融資の際にも有利に働きます。

(3)複数の銀行を検討する
ある銀行で口座開設が難しい場合でも、他の銀行であればスムーズに進むことがあります。
特に地元の信用金庫や地方銀行などは、中小企業との取引に積極的なところも多いため、そうした銀行を検討するのも良い方法です。

まとめ


法人口座の開設が難しくなっている背景には、銀行がリスク管理を強化していることが大きく影響しています。
新規設立企業や中小企業にとっては、審査が厳しくなっていることは事実です。
しかし、しっかりとした準備をすれば、口座開設をスムーズに進めることは十分可能です。
企業実態を明確にし、必要な書類をしっかりと揃えて、銀行との信頼関係を築くことが成功のカギとなります。

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