【銀行とのつき合い方】「銀行から借りてほしい」と頼まれた場合、どうすべきか?

中小企業の経営者にとって、銀行との関係は経営を安定させ、成長させるためには大変重要なことです。
特に、銀行から「ぜひお借りください」と頼まれた場合、多くの経営者は迷うかもしれません。
「本当に借りる必要があるのか」「このお金をどう活用したらよいのか」などの疑問が頭をよぎります。

1.借りるメリット・デメリット

(1)借りるメリット

① 経営の自由度が高まる
借り入れを行うことで、手元の資金に余裕が生まれ、企業経営の自由度が高まります。
たとえば、新しい設備の導入や事業拡大など、将来に向けた投資を考える際に、余剰資金があれば素早く決断できます。
資金不足でチャンスを逃すことがなくなり、経営判断の柔軟性も増します。

②業績が悪化しても持ちこたえられる
不測の事態が起こり、業績が悪化してしまうことはどの企業にも起こりうることです。
融資を受けて手元資金の余裕がある場合、突然の売上減少や資金繰り不足の問題にも柔軟に対応ができます。
何より企業の存続を守ることができます。いわば、借り入れは経営のリスクヘッジにもなります。

③ 銀行との関係強化に役立つ
銀行との融資契約は、単なる資金調達手段ではなく、銀行との信頼関係を構築する機会でもあります。
定期的な返済を行うことで、銀行は「この企業は信用できる」と判断し、将来的なサポートを受けやすくなります。
これは、銀行が顧客企業をどれだけサポートするかを決定する際の重要な要素です。

(2)借りるデメリット

① 不要な利息を支払う必要がある
融資を受ける場合、当然ながら利息が発生します。
手元に資金の余裕がある場合でも、借り入れを行うと無駄な利息を支払わなければなりません。
これは、資金の用途や返済計画が不明確な場合はデメリットとして挙げられます。

② 気が大きくなって経費が膨らみやすくなる
手元に資金があると、心理的に余裕が生まれ、経費の管理が緩くなりがちです。
不要な投資や無駄な支出を行ってしまうことで、資金が短期間で減少し、逆に経営を圧迫する可能性もあります。
資金管理を厳格に行わないと、借り入れが逆効果になることもあります。


2.結論:借りられるなら借りておくべき

私の考えは「借りられるなら借りておくべき」です。
特に、銀行からの融資の申し出がある場合は、企業にとってそれだけ信用度が高まっている証拠でもあります。
融資を受け、資金に余裕を持たせることで、将来の成長に備えることができます。

もちろん、すべての経営者に対して無条件で「借りるべき」とは言えません。
例えば、過度にリスクを取ることを避けたい性格の経営者や、過去に資金管理に問題を抱えていた企業は、慎重に判断する必要があります。
しかし、一般的には、メリットとデメリットを比較すると、銀行との信頼関係を構築するという点で、借り入れをしておくことがプラスに働くことが多いです。

融資を受けることは、単に資金を確保するだけでなく、銀行との長期的な関係を築き、経営の安定性を高める重要なステップです。
利息というコストが発生する一方で、資金繰りの余裕や将来的な融資の可能性を広げるため、総合的にはメリットが大きいと考えます。

最終的には、経営者自身の性格や会社の状況を十分に考慮し、適切なタイミングでの借り入れを判断することが、企業の成長にとって大切です。
銀行から「借りてほしい」と頼まれた際には、前向きに検討し、メリットを最大限に活かしていくことをお勧めします。

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